鈍感さが欲しい。
鈍感さが欲しい。
気づかなければよかった。
あなたを目で追わなければよかった。
そしたら、あなたの後を歩くあの子の存在になんて気づかなかったのに。
あなたが歩いていった1分後、同じ方向に、あの子が歩いていくのを見たんだ。
LINEの会話画面を開いて、何かに取り憑かれたように、あなたと同じ方向に歩いていった。
あの子は携帯と、もう片方の手に何かを持っていた。
でも、帰ってきたときには携帯しか持っていなかった。
そして、カードみたいなものを片手に持っていた。
それを財布にしまおうとしていた。
コンビニの色じゃなかったよね。
なんのカード?白のコンビニなんてないよ?
まさかね。
そんなことしないよね。
そんなに近くで2人きりとかならないよね?
あんなに過疎ってるレストランにも2人きりで行くのは断ったんだもんね。
そんなことしないよね。
って私に思わせるくらい、あなたは私を上手に扱って、とても慣れているね。
好かれているのか嫌われているのかも分からなくて、私はどうしたらいいのかわかりません。
どこまで本当なの?
教えてよ。
あなたが私にかまってくれたように、他の子にもかまってあげてるのかな。
「私の将来のために、わざと相手にしてない。」って考えていい?
こんな風に考えないと、私が壊れちゃう。
自分が守れない。
今日ね、「人が真に欲しているのは深い愛情だが、欲する対象を獲得しても、それは相手からの深い愛情の保証と感じられることはない。」っていう文章を読んだんだ。
それなら、誰を愛しても満足しないなら、私は誰かを好きになる勇気がないよ。
こんなこと、本当は考えるだけでもきつい。
こんなこと考えない鈍感さが欲しい。
鈍そうな人を見かけると、ついつい羨ましく思ってしまう。
ああ、私もあんな風にいろんなことに気づかなかったらいいのに。
気づかないふりをして自分の感情を押し殺す労力が省けるのに、って。